前回,IntelのNUC9 Extreme KITについての記事を書きました。
この機種の存在を知って,仕事にて製品の小型化に携わっている者として『単純に普通のATXサイズのケース使って自作しても面白くないな。全然攻めてないな』と思ったわけです。
というわけで,急ではありますが小型ケースを使った自作PCの仕様検討について書きたいと思います。
- mini-ITXの小型ケースでどこまでのスペックのものが作れるの?
- 小型だからいろいろパーツにも制限出てくるよね?
- そもそもどんな規格のパーツを選ぶことになるの?
などなど,小型ケースはいろいろ制約もあるのでミドルタワーやそれ以上の大きなケースに比べると気にしないといけないところが多々あるのではというのが容易に想像できます。
まずは今回の仕様を検討するにあたり,Intel NUC9 Extreme KIT の5Lに対抗して10L以下のケースでおすすめ(自分だったらこれで自作する)の製品を紹介し,果たしてこれらのケースでどのくらいのスペックのPCが作れるのか,主にYouTubeで公開されている事例からどんなCPU,グラフィックボード(グラボ)を使っているのか調べてみたのでその辺りも紹介したいと思います。
Contents
おすすめの10L以下小型ケース(mini-ITX対応)
おすすめケース①GEEEK A50
台湾メーカが作っている,容量としては9.7Lの小型ケース。
GEEEK A50 外観。クリアパネルが付いている。(公式サイトより)
こちらのケースはケースを組み立てる作業を購入者が行う組み立て式となっているのが特徴です。なので,ケースのパーツが送られてくるのでそれを組み立てるところから始まります。(玄人向きですね。)
色は上の写真にあるようにホワイトとあとマットブラックタイプがあるようです。サイズは幅140mm×高さ210mm×奥行330mmとなってまして,マザーボードの規格はmini-ITXとなります。
ストレージは2.5インチのHDD/SSDが2台収納できます。外部I/Fは前面にUSB3.0が2つ付いています。拡張スロットは2スロット分の空きスペースがあります。
あと冷却用のファンとして,ケース上面に92×15mmのファンが最大2台,ケース底面には□92mm(最大高さ15mm)のファンが1個取り付けることができます。(ユーザーにて準備)
電源はSFX/SFX-Lに対応しています。
パーツ互換性(Compatibility)についてですが,グラフィックボードのサイズの最大サイズとしては,長さ305mm,高さ134mm,幅50mmとなっています。意外とトリプルファンのロングサイズグラボも搭載できます。
またCPUクーラーは最大で高さ66mm(6.6cm)までであれば搭載可能です。このあたりで通常のミドルケース以上で使用できるものと比べるとだいぶ制限が出てきますね。具体的な候補としては,AMDのCPUでSocket AM4であればnoctuaのNH-L9a-AM4とかで,Intel CPUのソケットLGA1151であればnoctuaのNH-L9i,もしくはSILVERSTOENのSST-AR11あたりになるのではと思います。
おすすめケース②DAN Cases A4-SFX
DAN Cases A4-SFXの外観図。(DIRACサイトより)
全面アルミこちらのケースはなんと7.25L。ケースサイズは幅112mm×高さ200mm×奥行317mmとなっています。このケースもマザーボードはmini-ITX対応となります。
ストレージは2.5インチHDD/SSDが3個収納可能で,外部I/Fは前面パネルにUSB3.2 Gen2 Type-Cが搭載されているところが特徴的です。
ファンは□92mm(最大高さ25mm)をストレージが収納される場所に1台と,□92mm(最大高さ15mm)のものをマザーボード下に1台設置することができます。
パーツ互換性については,CPUクーラーは最大高さ48mmまでとなっており,GEEEK A50の66mmに比べると18mmほど低くなっています。
グラフィックボードの最大サイズは長さ295mm,高さ144mm,幅40mmとなっています。
電源は,SFX,SFX-L & HDPLEX 400W-DCATXに対応しています。
ケーススペック比較
仕様を比較した表を以下にまとめます。
■基本仕様
メーカー | GEEEK | DAN Cases |
型式 | A50 | A4-SFX |
ケースサイズ (W×H×Dmm) | 140×210×330 | 112×200×317 |
マザーボード | mini-ITX (170×170mm) | mini-ITX (170×170mm) |
ストレージ | 2.5インチHHD/SSD×2 | 2.5インチHHD/SSD×3 |
ファン | 上面:□92mm×15mm ×2台 底面:□92mm×15mm ×1台 | ドライブベイ:□92mm×25mm ×1 マザーボード下:□92mm×15mm ×1 |
ポート | USB3.0 ×2 | USB3.2 Gen2 Type-C ×1 |
電源 | SFX/SFX-L | SFX/SFX-L |
価格 | 約15,000円 | 39,578円 |
どのくらいのスペックが作れる?
実績のあるスペック(CPU,グラボ)
以下にある動画を参考にCPUとグラボの組み合わせを調べたところこのような組み合わせで作られていました。余裕でRTX20xxシリーズ搭載できるくらい結構ハイエンドなPCが作れます。
CPU・グラボスペック | |
GEEEK A50 | CPU:Intel Core i3-9100F(TDP 65W) グラボ:RTX 2060 SUPER(TDP 175W) |
DAN Cases A4-SFX | CPU:Corei3-9900(TDP 65W) グラボ:RTX2070(TDP 215W) |
GEEEK A50 参考動画
結論
以前まで紹介した,FF15やモンハンを快適にプレイできるレベルのスペックである,Intel Corei5-9600KF,GTX1660Tiは余裕でこのケースサイズに収まりますし,性能も十分出せると思います。ただ,DAN Casesは7.25Lというのは非常に魅力的ではあるのですが価格が4万円もして高すぎるので個人的にはGEEEK A50の方で自作したいなと思いました。
えっとマネー的な余裕があればこのGEEEK A50を使って超小型の自作PC作りたいなと思います!
とりいそぎ,10年前の自作PCのアップグレードからやりまーす。
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