前回FF15,モンスターハンターワールドが快適にプレイできる自作PCのスペックを決めました。今回はCPU選定をします。どういう基準や考えで選定したかについて書きたいと思いますので,自作PCを検討している方は参考にしていただけると幸いです。

目標スペックについておさらいです。↓
目標 | FF15ベンチマークスコア:快適(6000~8999) | 備考 |
OS | Windows10 Home 64bit | |
CPU | 3.4GHz以上 | |
グラフィック ボード | GTX 1660 Super,GTX 1660 Ti,GTX 2060 | 確実に60fps出したいのでGTX 1660 SUPER以上は欲しい |
メモリ | 16GB(PC4-21300) | 8GB×2枚 |
ストレージ | 256GB~512GB | M.2もしくはSATA SSD |
電源 | 550~650W(80PLUS Bronze以上) | |
目標価格 | 12万円以下 |
Contents
CPUって何?
そもそもCPUについて知らない方もいると思うので簡単に説明します。CPU(Central Processing Unit)とは中央演算処理装置と呼ばれ,パソコンの中の脳みその役割があって主に様々なデータを計算する場所になります。またパソコンにはCPUのほかにチップセットと呼ばれるUSBやHDD/SSDなどのインターフェースと繋がるためのデバイスも入ってます。わかりやすく図にしてみたので理解に貢献できたらと思います。
CPUの性能を決めるもの
CPUの性能は主に以下の4つで決められます。(簡単のために4つに絞ってます)
- 動作周波数
- コア数
- Hyper-Threading(ハイパースレッディング)の有無
- キャッシュ容量
初心者やパソコンについてよくわからない方に向けて簡単に説明していきます。詳しい方や専門の方にはいろいろツッコみが入るかもしれませんが,このスタンスで説明します。
動作周波数(クロック)について
まず動作周波数(クロック)についてですが,CPUの処理はこの動作周波数に合わせて実行されるので単純にこの動作周波数は大きいと処理能力が高いということになります。『ベース/ターボブースト時』というように定格の動作周波数とCPUが処理の重たい計算を行う際に自ら動作周波数を上げて計算を頑張ろうとします。その時の最高値がターボブースト時の動作周波数です。(オーバークロックとは異なります)
- ベース:定格時の動作周波数
- ターボブースト(TB):CPUが計算を一生懸命頑張った時の最大動作周波数
コア数
コアとは計算する機能のことでこの機能が複数あるほど性能が高いということになります。脳みそも1つよりも2つあれば一度に複数のことについて考える(並列処理する)ことができます。(人間にはありえないのですが笑)
Hyper-Threading(ハイパースレッディング)
Hyper-Threading(ハイパースレッディング)は1コアを仮想的に2つに分けることで並列処理の性能を高める効果があります。例えば『6コア/12スレッド』のような表記をしますが,実際は6コアしかないけれど,1コアを2分割してスレッドを増やすことで計算する機能を12個に増やすということができます。気を付けておきたいのは並列処理に特化しているので,逆に1つの重たい作業を処理しようとすると分割しているがゆえに,処理性能が6コア6スレッド(ハイパースレッディングでないもの)に比べると低下することになります。(性能が低いから12スレッドが悪いというわけではない。十分性能はあるけど差があるよという話)1コアの性能を存分に使えるというイメージでしょうか。
キャッシュ容量
CPUに内蔵される高速なメモリのこと。キャッシュ容量が大きいとそれだけ高速に処理できるということになります。計算の時にデータがすぐに取り出せるように保持する場所と思ってもいいでしょう。
その他のCPU性能に関する指標
TDP(Thermal Design Power):熱設計電力と呼ばれる数値がありますが,このチップを使って設計する際はこの程度発熱すると見込んで放熱機構を設計してくださいねという数値であって消費電力とは厳密に言うと異なります。(実際ターボブースト時はTDPの倍くらいになったりもする)
あと内蔵グラフィックスがあるかないかによってマザーボードの出力端子(HDMI,DVIなど)で映像出力できるか,別途グラフィックボードが必要かが決まりますので注意してください。
- 内蔵グラフィックスあり:マザーボードの出力端子が使える
- 内蔵グラフィックスなし:別途グラフィックボードが必要
Intel系CPUのCoreシリーズについて
今回の自作PCではIntelのCPUを使うことにしているのでIntelのCPUについて説明します。Intel CPUで有名なのがCore ixシリーズになります。2020年7月現在,Core i3という初心者向けの4コア/4スレッドのものから,中~上級者向けのCore i5,Core i7,そしてCore i9という超上級者向けの8~10コア/16~20スレッドもある超高性能なものまで用途に応じたラインナップがあります。
今回の自作PCではCore i5くらいが性能と予算的にねらい目になると思います。自作するならこのくらいのスペックが欲しいところです。
シリーズ | 性能 | 価格帯 | ターゲット |
Core i9 | 8~10コア/16~20スレッド | 5万~10万円 | 超上級者向け,超高性能 |
Core i7 | 6~8コア/12~16スレッド | 4万~5万円 | 上級者向け,高性能 |
Core i5 | 6コア/6スレッド | 2万~3万円 | 中級者向け→自作PCのねらい目 |
Core i3 | 4コア/4スレッド | 1万~2万円 | 初心者向け |
シリーズとターゲット
各シリーズとターゲットを個人的な見解で言うなら,Core i9は超コアなゲーマーやゴリゴリ動画編集使い倒すクリエイター(ゲームが仕事,動画編集が仕事)が使用して,Core i7は趣味でがっつりゲームや動画編集するタイプの人が使うイメージです。Core i5は自作PC初めてでゲームとか普段使っているノートPCよりも高速処理できるPCが欲しいな(予算もそこまで多くないし)という方が使い,Core i3はゲームとかはせず,Office系のアプリを使って仕事で使用するくらいのライトなユーザーが使用するイメージです。
当然ですが,お金に余裕があれば高性能なPCが作れます。そこをいかに低予算で自分が求める性能が出せるかどうかが自作PCのロマンと私は信じています。ポイントは背伸びせず身の丈に合ったパーツ選定をすることだと思ってますのでその辺初めて自作する人は肝に銘じてください。他のパーツでも言えることです。
Core i5シリーズから選ぶ
上にも書いたように背伸びせず身の丈に合ったスペックということでCore i5シリーズが妥当ならところだろうということでこのシリーズの中から選びたいと思います。ちなみに2020年7月現在最新では第10世代のCPUが登場してますが,新製品ということもあり割高なのでここも身の丈に合ったパーツ選定ということで1つ前の世代である第9世代から選ぶことにします。
Core i5- | コア/スレッド | 動作周波数 (ベース/TB) | 内蔵GPU | TDP (W) | OC※ | 最安値 |
9600K | 6/6 | 3.7GHz/4.6GHz | ○ | 95 | ○ | ¥24,104 |
9600KF | 3.7GHz/4.6GHz | × | 95 | ○ | ¥22,850 | |
9600 | 3.1GHz/4.6GHz | ○ | 65 | × | ¥25,980 | |
9500 | 3.0GHz/4.4GHz | ○ | 65 | × | ¥23,956 | |
9400 | 2.9GHz/4.1GHz | ○ | 65 | × | ¥19,980 | |
9400F | 2.9GHz/4.1GHz | × | 65 | × | ¥17,180 |
※OC:オーバークロック可能かどうか
今回の目標スペックが3.4GHz以上なのでとりあえずCore i5-9600KもしくはCore i5-9600KFを選んでおくことにしましょう。
内蔵GPU(グラフィック)有り無し(F付き)でCPU負荷が多少軽くなるとかいう話もあるので,グラボ搭載決定している場合は内蔵GPU無しのCore i5-9600KFでもいいのかなと思ったりもします。(9600Kよりも安いし)
TDPが95Wと高いのはOCできるモデルということもあります。OCするとチップ寿命が短くなったりするので,初心者にはおすすめしません。もしかすると今回OC無しでも目標は達成するかもしれませんが,将来的にOCできる選択肢を作る意味でもOC可能モデルを選択します。
CPUはPC性能に大きく関わる重要なパーツなのでお金をかけてもいいところなので妥当な選定だと思います。
CPU選定のまとめ
コスパ的にCore i5シリーズで目標スペックを満たす3.4GHz以上の性能をもったCore i5-9600KもしくはCore i5-9600KFのどちらかを選ぶことにします。
CPU選定結果
|
コメント