クラウゼヴィッツ『戦争論』から戦争の本質とリーダーに必要な素養を学ぼう!

読書
クラウゼヴィッツの『戦争論』から戦争の本質とリーダー論について紹介する。本記事は書籍『戦争論』に書かれてある内容を紹介するとともに,ナポレオンの軍事的才能からリーダとして必要な素養を学ぶ内容である。なので個人的な考えにより戦争を助長するような意図は全くないことをはじめに伝えておく。
クラウゼヴィッツについて
19世紀プロイセンの軍人であり軍事学者。ナポレオン軍との戦争での敗北をきっかけに,戦争の本質の研究に人生をかける

あなたも歴史の授業で学んで当然知っていると思うが,戦争は国同士の戦いであり悲惨なものできればやりたくないし,これからもやるべきではないことだ。

戦争について話すのはどうも抵抗があるが,目を背けず戦争というものについて本記事で向き合ってほしい。

まずは戦争の本質からだ。

戦争は相手に自分の意思を強要するための暴力行為である

戦争は国どうしの目的のための手段であり、どちらかの目的が達成されれば戦争は終了するものである。そして戦争には3つの要素というものが存在する。

①政府の目的
②軍隊の才能
③国民の支持

重要な要素は国民の支持である。戦争は政治目的で発生するものの国民の支持による影響も大きい。今では考えられないが,国民の支持も含めてこの3つの要素が互いに作用しあって戦争が成り立っていた。

しかしながら戦争といっても小規模なものもあれば,大規模なものもあるのでやみくもに武力を行使しても戦争を始めたところで自国を滅ぼすこともありうるためリスクが高いのも事実である。

この戦争における行動の性質には『武力による決定』というものがある。

敵戦力の撃滅:相手武力を無力化し抵抗できなくする方法
講和条約の締結:戦力の犠牲を抑えたいときに有効
防御:敵の戦意をくじく

戦争にはこの『武力』が関わらないことはないと言える。相手が抵抗できなくなるまで武力を行使し続けるか,条約を結ぶまで(目的の達成)か相手の戦意をくじくか全て武力に関わることである。

戦争の2つの形

戦争には絶対的戦争と現実の戦争の2つに分かれる。これらはどう異なるか簡単に説明する。

絶対的戦争~ナポレオン的~

目的は敵を撃滅すること。1回の決戦で問題を解決させる。実際にはあまりやりたがらないが暴力を極限公使する。この暴力の極限行使は互いに暴力を応酬することで次第にエスカレートすることもあり,また交戦中双方がいつ敵に撃滅させられるかといった相手への恐怖を増幅させたりする。そして相手よりも優位に立つことを求め力を増大し続けやがて極限に達する。

第一次世界大戦や第二次世界大戦などがこれにあたるであろう。戦争することが目的化するとこの絶対的戦争になるのであろう。

現実の戦争

政治、経済、社会、科学技術などに影響を受けて暴力の極限行使を行わないのが実際である。このことから『絶対的戦争』は限りなく概念上のものに近い戦争とも言える。

ナポレオンに学ぶリーダーに必要な素養とは

ナポレオンは軍事的な才能に長けていたと言われている。戦争論の中でもナポレオンの才能について触れられている。そのナポレオンの才能から組織のトップ,長として必要な素養について学ぶところがあったので紹介する。

当時ナポレオン率いるフランスは軍事力において最強の国の一つであった。その強さはどこにあったのかというと国力と機動力戦略大規模な国民軍,そしてナポレオン自身の軍事的才能が挙げられる。

国力と機動力が高い

当時フランスは人口2000万人でヨーロッパ最大の人口であった。そのため兵士の数も多かった。これに加えて,兵士の機動力が高かった。兵士たちは指揮官の元,迅速かつ柔軟に対応できるように統率されていた。

チームワークできていたということだ。スポーツでいうとチームとしてどう動くか,どういう場面ではどう戦うかがよく訓練されていたのであろう。

戦略の5つの要素を駆使していた

ナポレオンは戦略にも長けていた。特に以下に挙げる5つの戦略を駆使していた。

①戦力の数量、割合
②作戦の計算
③地理的要素
④物資の補給
⑤精神的要素


ナポレオンは戦力の数量が多い時はもちろん少ない状態でも,作戦により兵力差関係なく勝利を収めていた。また戦場の地理的情報も活かしながら戦っていた。特に高台の占領することで戦況を有利に進めていた。物資の補給も重要な戦略の一つで,戦争に必要な物資を供給するための補給路を確保・保持していた。他にも『詭計』と呼ばれる敵を欺いて攻撃する戦術をとることもあった。しかし,この『詭計』はかなり綿密な計画を用意する必要があり,目的が達成できたとしても投入した戦力や時間のコストが上回り結果的に非効率になることもあったようだ。

大規模な国民軍が強い

フランスは他国に先駆けて『徴兵制』を導入した。元々人口の多かったことと,当時のフランスと言えば絶対王政による不平等に反発していた国民が多くいたことから,国民全体として非常に強い闘志をもっていた。

その国民軍を軍が一定の規則性をもって部隊を統制していたこともあり,ヨーロッパで驚異の戦闘力を発揮できていたのだろう。

ここで戦争、戦略、戦闘、戦術それぞれの違いとはどこにあるかを説明する。戦争,戦略,戦闘,戦術,似たような語句が並ぶが違いはどこにあるのだろうか。戦争論によると,

戦闘を有利に進める方法が戦術
戦争
に勝つための戦闘の使い方が戦略

ということらしい。書いてみたものの正直よくわからない。

 

軍事的才能に長けていた

ナポレオンはもともと田舎の平民だったにも関わらず,若いころから『自分は皇帝になる』と宣言するほど強い野心を持っていたようだ。ビッグマウスというやつだ。

戦況を左右するのは兵力や戦略だけではなく,『人の精神の働き』いわゆるファイティングスピリットが重要にもなる。

我々がスポーツを行う上でも,メンタリティがここぞの場面で重要なのは理解できるが戦争ともなるとその極限状態における精神状態となると想像を絶する。

戦争における主な精神的要素に以下の3つが挙げられる。

  • 将軍の才能
  • 軍の武徳
  • 国民精神

『将軍の才能』は各部隊に指示を出し戦闘をコントロールする際に必要な能力で,戦争や軍に関する知識、とっさの判断力、行動力が必要になる。地位が高くなるほど優れた能力が求められる。これは実社会における会社の上司に必要な能力ともいえる。

そして軍としての行動理念ともいえる『軍の武徳』は秩序や規律を重視する強い責任感や忠誠心など,優れた統制をとるための共通した理念となるため重要なものである。今日の企業における企業理念にあたると考えてもらえばわかりやすいかと思う。

最も強調すべきは『国民精神』であり,これは国民の愛国心を意味する。己の利益だけを考えて戦う雇われ兵士よりも戦闘経験のない平民の寄せ集めである国民軍の方が団結して国を守ろうとする気持ちが強いため,同じ数集めた場合戦力としては国民軍の方が強くなる。

団結することで人は大きな力を発揮するのは現代のスポーツでも同様なことが言える。そのためには同じ目標を持ったり,試練を共に乗り越えることで力を結束させることができる。この試練を乗り越えるときにこそリーダーの天才的な軍事的才能が必要になる。

困難を乗り越える実行力強固な意志聡明な知力や機転といった素養がリーダーには必要だ。

そういう意味で判断力、実行力を併せ持ったナポレオンは軍事的天才であったといえる。

まとめ

戦争の本質は,
  • 戦争は国どうしの目的のための手段であり、どちらかの目的が達成されれば戦争は終了するもの

リーダーの素養は

  • 困難を乗り越える実行力
  • 強固な意志
  • 聡明な知力や機転

組織を統率するために

  • 共通のビジョン(理念)
  • 試練を含めて同じ経験をする


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